「リアル」井上雄彦と「あかり from HERE」clammbon feat. THA BLUE H...
週間ヤングジャンプに連載されはじめてから10周年の今年に10巻が出ました。
「車いすバスケのマンガ」という一言では到底表現できない素晴らしい作品です。
喪失した身体,時間,様々な関係性,喪失後も生きなければいけない苦悩,いくら努力してもかなわない修復,点しては消える快復のための灯,消えそうな灯を保とうとする意思,そしてつながり。私ごときが評価するのもおこがましいですが,マンガ表現としての最高峰に到達しているマンガだと思います。
私が少年事件の付添人になったときに,よく少年にこの本を差し入れて読んでもらって,少年と色々なことを話し合いました。私自身,今まで何度も「リアル」の表現に涙して,前を向くための小さな勇気を与えてもらいました。
今日「リアル」10巻を読みながら,clammbon feat. THA BLUE HERBの「あかり from HERE」のILL-BOSSTINOのラップを思い出しました。
「加害者 被害者 繰り返しなたらい回しさ
確かに虚しいが 虚しいのが世界さ
完璧な人間なんてどこにも1人もいない
皆 善と悪 半分ずつで1人さ
情けは 金じゃ 買えない 味気ない
ダブルクリックだけで施されるわけない
未完成なお互いが与え与えられ
顔と顔とを向かい合わせていかなくてはダメだ
言いかけた言葉も 口に出さなけりゃ
全てかけがえない ただ忘れていくだけだ
伝わるか伝わらないかなんかは関係ない
伝えようとすることを今も俺は諦めない 」
この曲は,クラムボンとTHA BLUE HERBのコラボ曲ですが,本当に「奇跡」のような曲ですので,ぜひ音と声で聞いていただけるとうれしいです。