ラジオ天気予報
私は高校時代,山岳部に所属していた。高校の裏山でテントを張ったり,荷物を背負って走ってみたり。
そんな私の高校山岳部は,3年の高校総体で0.2点差で全国大会への道を失い終わったが,
山への思いは,高校時代より強くなっていると思う。
高校山岳部の試合は100点満点の点数制で,
登山中の行動(体力,歩行技術,マナーなどをみる),料理のメニュー,テントの張り方,植物の知識など,それぞれに細かい点数が割り振られ,それらが加算されて,総得点で順位が決まる。
4人1パーティで試合に臨むが,当時4人はそれぞれ担当があり,
植物,救護,読図,気象担当に分かれる。
私は気象担当だった。
気象担当は,20分間のラジオの天気予報を聞いて,天気図を作成する。
父島,南東の風,風力2,1012ヘクトパスカル,天気は晴れ,・・・・
ゆっくりと,聞き取りやすいあの声を,車の中で久々に聞いたときは,
ぞくぞくした。
そして,頭の中で天気図を描いてみた。
心なしか,高校生の時よりよく描けている気がする。
日本が大きな高気圧に覆われている,今日の空はなんて青いんだろう。
音や風や匂いや星にもっと敏感になりたい。
そう思ってもパソコンとにらめっこの毎日では,これがなかなか難しい。
運転しながら聞くラジオ天気予報は,20分間,私を別世界へ連れて行ってくれる。