弁護士の収入は少ない
弁護士というとお金を持ってそうなイメージがあるかもしれませんが、実際はそれほど収入は高くありません。
2012年度の国税庁の統計によれば、確定申告を行った弁護士の中で、所得(簡単にいうと売上げ-経費の金額。つまり税引き前の実収入です)が70万円以下の弁護士が約20%、70万円以上500万円以下の弁護士が約22%、500万円以上1000万円以下の弁護士が約25%、1000万円以上5000万円以下の弁護士が約30%、5000万円以上1億円以下の弁護士が約2%、1億円以上の弁護士が約1%という結果だったようです。
弁護士は現在約33000人ぐらいですから、1%で330人です。5000万円以上の所得のある弁護士が約1000人、1000万円~5000万円の所得の弁護士が約10000人、1000万円以下の所得の弁護士が22000人(うち70万円以下の弁護士が6600人)ということですね。
弁護士の内3分の2は年収が1000万円に届いていないということです。また、1000万円以上の所得がある弁護士の割合はここ4年で10%以上減少しており、法曹増員や長引く不況の影響を感じさせるところです。
70万円以下というと月収6万円ぐらいですから、どうやって生活してるのかと思いますが(生活保護を受けられる水準ですよ)、そういう弁護士が6600人もいたということです。500万円以下なら42%で13000人強です。弁護士の3人に1人は年収が1000万円以上ありますが、3人に1人強は500万円以下しかないということです。
なお、弁護士業務の中でかなり重い負担なのが弁護士会・日弁連へ支払う会費です。これが、所属する単位会によって違いますが、月4万円~10万円です。年に直すと48万円~120万円です。会費を支払わないと除名されて仕事ができなくなってしまうので、会費の支払いは絶対です。
会費が年70万円以上のところだと、所得よりも上納金の方が多い人が結構いる、ということです。一方、弁護士会や日弁連から何かしら会費に見合うメリットがあるかというと、会員の増加により年々減少傾向にあります。弁護士会は、法律相談や国選弁護といった仕事を会員に割り振っていますが、会員の増加で1人の会員に割り振れる仕事は減っているのが現状です。
法改正などに関し日弁連が果たす役割は大きく、その存在意義が無いわけでは無いのですが、いつまで現在の体勢を維持していけるのか、先行きの不透明感は増しています。