終活

「終活」のすすめ

「老い支度」の大切さ

春日町本部集合写真01 当事務所には13名の弁護士と5名の社会福祉がおり,現在,400名を超える高齢者などの方の後見人になって,施設やご自宅を訪問して,財産管理や身上監護の仕事をしています。施設を探して入所の契約をしたり,年金が振り込まれる預金通帳から施設利用料の支払いをしたりする仕事です。身寄りのない方の場合は葬儀の手配や永代供養の手続きまですることもあります。

a0002_010481_m こんな仕事を通じて,痛切に感じることは,「老い支度」の大切さです。認知症患者は全国で350万人,独居の方はそのうち18%という報道もなされており,決して他人ごとではすまされません。
高齢になると,子どもは県外に出て誰もお世話ができなくなります。東京にいる子どもと同居することも困難です。認知症がすすみ,ゴミ屋敷のなかで生活する方もいます。こうなっては,高齢者の方は自分ではなにもできません。
大事なことは,老後の人生は今から自分で決めておくことです。限られた財産でどのように生活していくのか。皆さんも,まさか,自分に判断能力がなくなることは考えたくもないでしょう。老後の生活を相談できる方は周りにいるでしょうか。子供たちに迷惑をかけたくない方もいるでしょうし,わずかでも財産を子供たちに残してあげたい方もいるでしょう。年金だけで,借家暮らしを続けていくことに心配な方もいるでしょう。認知症の両親の介護ができず,困っている方もいるでしょう。

 
身近に相談できる方がいない場合は,弁護士に相談することをお勧めいたします。弁護士は,成年後見制度,任意後見制度,遺言や相続,あるいは親子間の紛争解決などきっといい知恵を出してくれます。今日からでも,「終活」に向けた取り組みをぜひ一度お考えください。

「終活」に必要な2つのこと

Q 「終活」を勧めていただきましたが、具体的にはどのようなことをすればいいでしょうか。

 終活とは人生の終わりをより良いものとするために事前に準備をすることですが、大きく分けて①財産の整理と、②身辺整理に分けられます。

① 財産の整理

レタ― 財産を残してお亡くなりになると、遺産分割でご家族の間で争いとなる場合があります。紛争を防止するためには「遺言」を残していくことが有効です。
 一般的な遺言の方式には「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」があります。「自筆証書遺言」は全文を自筆すること、書いた日付をいれること、署名捺印すること等、方式は決まっていますが、費用もかかりませんし、手軽に作成できるメリットがあります。
 ただし、紛争が予測される場合は、内容を公証人に確認してもらい、紛失や偽造を防ぐために、原本が公証役場に保管される公正証書遺言をおすすめします。
 いずれにしても、書き方には細かな決まりがあり、内容に不備があるとせっかくの遺言が無効となる場合もありますので、遺言を作成する場合には弁護士に相談することをおすすめします。
 また万一借金が残ってしまった場合は借金も相続されてしまい、相続人の負担となりますので、早めに破産手続等をする必要があります。借金が残りそうな場合は早めに弁護士に相談してください。

 

② 身辺整理

a0780_000383_m 自分の判断能力が低下した場合に、どのような医療行為を受けたいのか、どのような介護サービスを受けたいのか、お葬式はどうしたいのか、お墓はどうするのか等を事前に決めておいて、自分の代わりに信頼できる人に実行してもらうために「任意後見契約」を締結することができます。任意後見契約を締結しておけば、万一自分が意思を表明できなくなっても、自分に代わって任意後見人が自分の希望を実行してくれます。

 
 当事務所では、ご自身が安心した老後を過ごすため、また残された家族が安心できるための終活にともなうさまざまな支援を行っております。お気軽にご相談ください。
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