日本弁護士連合会人権擁護大会・シンポジウムのご案内 (10月1日、幕張メッセ国際会議場コンベンション...
後見・補佐・補助業務を多数担当している弁護士として,イギリスの,2005年意思決定能力法(MCA:Mental Capacity Act 2005)やその行動指針(Mental Capasity Act 2005 Code of Practice)については,邦訳されている論文や書籍は読んでいるのですが,IMCA(Independent Mental Capacity Advocate)の実際の活動等についてはどうもイメージが湧いてなかったところ,竹内理事長の視察報告(約2時間30分)をうかがって,かなり具体的にイメージできるようになりました。
特に,新井誠監訳・解題,紺野包子翻訳『イギリス2005年意思能力法・行動指針』(平成21年,民事法研究会)とスー・リー(菅富美枝訳)「イギリスにおける本人を代弁する公的サービス IMCAの実践」法政大学大原社会問題研究所・菅富美枝編著『成年後見制度の新たなグランド・デザイン』(2013年,法政大学出版局,p265)の理解が格段に深まりました。
また,意思決定能力の有無の判断において,書面が求められるため,早い時期に,能力の有無に関するエビデンスのみに関心が集中し,能力を活かすという支援の努力がなされない傾向となっており,MCAの第2原則が無視されていることが少なくないという指摘や,2015年4月から施行されているケア法では,意思決定能力の有無は問題にせず,「サポートが必要な場合」にアドボカシーを受けることができるようになったとか,DoLs(Deprivation of Liberty Safeguards[自由の制限に対するセーフガード])の領域における要請が急激に増加したことによりIMCAが業務過多となっているとか,日本の成年後見法制や精神保健福祉法改正に向けた方向性についても非常に示唆的と思われる報告をお聞きすることができました。
日本弁護士連合会の人権擁護大会シンポジウム第2分科会も意思決定支援に関する内容ですので,ぜひ参加して来ようと思います。
「『成年後見制度』から『意思決定支援制度』へ
~認知症や障害のある人の自己決定権の実現を目指して~」
日時 10月1日(木)12時30分~18時
場所 幕張メッセ国際会議場 コンベンションホールA
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日本弁護士連合会│Japan Federation of Bar Associations:第58回人権擁護大会・シンポジウムのご案内