後見業務について (江口弁護士)
私は、岡山パブリック法律事務所の後見センターに所属しており、日々、成年後見の業務に従事しています。
成年後見制度というのは、認知症の方や、知的障害、精神障害のある方などを支援する制度です。当事務所では、成年後見の案件を多数扱っているため、飲み会などでも支援の在り方が話題になることがしばしばあります。先日も、「本人の判断が、私たちから見て良くない、不適切な判断と思えるとき、本人の判断に従った支援をしてよいか」という話で白熱しました。
「本人の意思尊重とよく言われるが、本人の意思に従ってしまっては、本人にとって良くない場合もある。」、「間違えることは誰にでもある。失敗を経験することによって、多くのことを学ぶことができる。その成長の機会を奪ってはいけない。」など、色々な意見が出ました。
当然のことながら、支援の在り方は、一人ひとりの方に応じて、また、一つひとつの場面に応じて異なるはずで、一括りに論じることはできないのでしょう。ですから、正しい支援の在り方については、その場その場で常に考え続けなければならないのだと思います。現在、私は、本人やその周囲の方々、福祉関係者の方々や当事務所のスタッフとも相談させていただきながら、本人にとってより良い支援を一緒に考えることができる環境にあり、本当に恵まれていると感じています。
皆さんの中にも、認知症の方や、知的障害、精神障害のある方と接し、日々悩まれている方もいらっしゃると思います。そんなときには、ぜひ当事務所を支援の輪に入れていただけると嬉しく思います。本人のためにどうすれば良いのか、一緒になって考えさせていただきたいと思っています。
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