【待つこと】 いつもお世話になります。 社会福祉士の新名です。 今日は【待つこと】のお話です。 __...
いつもお世話になります。
社会福祉士の新名です。
今日は【待つこと】のお話です。
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Aさんは80代の女性で、お一人暮らしの方です。
いつも朗らかで、ニコニコとお話をしてくださいます。
そんなAさんのお宅を訪問し、さて帰ろうと思った時。
新名の携帯に着信。
Aさんは快く「電話にでていいよ。」と仰ってくださいました。
連絡は業務連絡だったのですが、電話を見るとメールでも業務連絡が。
そんな新名の電話の操作を見ていたAさんが一言。
『便利な時代ねぇ。でもあなたも大変ね。どこでも連絡がくるじゃない(笑)。』
なんだか、Aさんに申し訳ない気持ちと同時に、こう返しました。
「確かにそうですね。どこにいても連絡が来るし、返事がなければ「連絡がない!」って言われるんですよ・・・。」
『あなたもかわいそうね、昔は電話なんて持ち歩けないから、『待つ』しかないのにねぇ(笑)』
「待つ・・・ですか。そうですね。便利なようでもなんだか不便な気がします。」
『そうよ。昔は手紙だって待つものなんだから(笑)』
たったこれだけのやり取りでしたが、ふと『待つ』ということを忘れている自分に気が付きました。
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インターネットも携帯も本当に便利です。
合理的でやり取りもスピードが上がるでしょうし、いろいろ恩恵も多い。
一方で我々、ソーシャルワーカーは相手との会話を『待つ』ことの大切さを学んでいます。
相手が沈黙し、悲しみ、怒りに震えている時。
言葉が出なければただひたすら相手の言葉が出るまで待ちます。
待っている時の緊張感や先の見えなさは不安すら感じますが、それでも待ちます。
今の世の中、『既読』一つでケンカにもなります。
便利なツールを否定する気は全くありません。
けれども、一方通行のようでも相手からの言葉を『待つ』ことの大切さ、を見直すこともありかもしれないと感じました。
相手と直接話すこと、手で書いて伝えること、そしてその中で『待つ』こと。
みなさんはいかがでしょうか。