ケアからエンパワーメントへ – ミネルヴァ書房 ―人文・法経・教育・心理・福祉などを刊行...
いつも大変お世話になっております。
社会福祉士の新名です。
今回は【リスクを冒す自由】についてのお話です。
ここ最近、後見制度の今後の在り方や支援内容について勉強する機会が増えています。
そのなかで、被後見人さんらの「意志決定・意思表明」についてどうあれば、真の姿に近づけるのか、ということを考える機会も増えています。
新名の頭で考える幅は知れていますから、いろんな本から学ぶなかで、次の本にとても良い影響を受けることができました。
北野誠一(2015)「ケアからエンパワーメントへ-人を支援することは意思決定を支援すること-」ミネルヴァ書房
社会福祉に関わる方なら必読といっても良い内容です。
福祉系専門書なので、やや難しい内容もありますが、後見人を受任されている方にもおすすめです。
ちなみに、この本の帯が実は結構好きなのですが・・・
「なぜ支援するのかわからなくなってきたあなたへ 本人と支援者がともに一人ひとりの物語を紡いでいくために」
新名も時にこの「支援」で迷子になるので、この帯は衝撃でした。
内容についてはとても書き切れないのですが、その中に「意思決定・意思表明で重要な4つの原則」というものが出てきます。
その4つ目の原則が
「本人のリスクを冒す自由と、支援者の見守る自由の原則」です。
【本文引用】リスクや失敗を冒す本人の自由を支えながら、本人のリスクやクライシスに関して、それを常に本人とコミュニケートしサポートすることをいう。
長く相談支援に関わっていると、ケアマネジメントや支援計画といった計画的サポートを進めがちなのですが、それに本人さんが縛られてしまって、いつの間にか本人が主役ではない支援になっていることが実は多いと感じます。
もちろん、新名もその点でも随分と失敗しています。
ともすれば、リスクのない人生を誰でも望むところでしょう。
しかし・・・実際はリスクを覚悟で自分の気持ちに従って、他人から危ないと言われても人生を選択してきている方は多いと思います。
では、高齢者や障害のある方がリスクを冒してでも自分の意に添う生き方を選んだならば?
もちろん、ただ手放しでなんでもどうぞ、とはいかないでしょう。
けれど、どういうリスクがあるか、一方それによって得られるもの、充実が図れるものは何かを、本人と支援関係者がきちんと向きあっているのか。
その視点がなければ、本人にとっての「おもしろい」生き方にはならない、ということです。
ワクワクした生き方には楽しさや充実感だけでなく、不安や恐怖、悲しみ、怒り、いろいろあって成り立つのではないでしょうか。
だから「ワクワクしておもしろい」そんな気がします。
すっかり図書紹介になってしまいましたが、この本が個人的な「無人島に持って行きたい本」TOP10入りしました。
みなさんはリスクを冒しながら、でもワクワクしてますか?
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