【副所長就任のご挨拶】 このたび、弁護士法人岡山パブリック法律事務所の副所長に就任いたしました、社会...
このたび、弁護士法人岡山パブリック法律事務所の副所長に就任いたしました、社会福祉士の尾﨑力弥です。
弁護士法人の副所長を社会福祉士が務めることは全国的にもあまりないことだと思います。ではなぜ、岡山パブリック法律事務所の副所長に社会福祉士が就いたのでしょうか。
私自身、自問自答の毎日ですが、その答えは、司法と福祉の連携を進化させ、その取り組みを県内全域へ行き渡らせる、そして全国へ拡げていく、ことだと考えています。
以下、岡山パブリック法律事務所における司法と福祉の連携のこれまでの展開と、私の考えるこれからの展望についてお伝えします。
■これまで
開所して11年が経過した現在、当事務所は、弁護士15名、社会福祉士8名、事務職員30名、本部支所あわせて4事務所を有する、中四国地区でも有数の規模の事務所となりました。
法律事務所が社会福祉士を直接雇用すること自体いまだに珍しいなか、ましてやこれほど多く在籍する事務所は全国的にないのではないかと思います。社会福祉士をこれほど有するに至ったのは、当事務所が成年後見に注力して取り組んできたことに起因しています。
成年後見人を法人でお引き受けし(法人後見)、おひとりおひとりに弁護士と社会福祉士と事務職員がチームで担当させていただくという全国的にも珍しい方式で取り組んでいます。成年後見センターという専門のセクションを設け、現在では約700名の方のお手伝いをさせていただくに至っています。
まだまだ課題も多く抱えていますが、司法福祉一体型成年後見人という強みを活かした活動、スケールメリットを活かした活動、法人後見の強みである若年層の方への息の長い支援、精神障がい等による補助類型・保佐類型を積極的受任し地域生活伴走支援を行う、など当事務所の特性を活かした活動を展開しています。
また成年後見以外におきましても、弁護士、社会福祉士と事務職員が協働し、また支援関係機関の皆さまと連携をはかりながら、債務問題や交通事故などの民事事件支援、障がいのある方の刑事事件支援、生活保護の同行申請支援、シェルターなどの地域生活支援、市町村の権利擁護等アドバイザー就任、NPO立ち上げや活動への参画、研修や講演等による普及啓発、などに取り組んでまいりました。
こうしたさまざまな活動ができたのは、多くの福祉機関や医療機関、行政機関やさまざまな専門職の方々、地域の皆さまとたくさんのつながりをいただき、当事務所の活動を支えていただいたからこそだと感謝いたしております。
■これから
キーワードを3つ挙げると、【司法と福祉の連携の進化】【地域密着化】【活動の発信と拡げること】です。
【司法と福祉の連携の進化】
あたりまえですが、司法=弁護士ではありません。福祉=社会福祉士でもありません。すなわち、司法と福祉の連携といいましても、弁護士と社会福祉士が連携すればよいということではありません。さまざまな機関と職種の方々と連携をはかっていくことが必要です。
また、その分野も権利擁護、更生保護、所得保障、消費者保護、雇用労働、まちづくり、などなど広大なフィールドが広がっています。対象となる方々も、児童・障がい者・高齢者・生活困窮者・犯罪被害者加害者・さまざまなマイノリティの方々・労働者・消費者・地域住民、などとても幅広いものです。
多くの課題を一気に進めていくことは困難ですが、ひとつひとつ前に進め形にしていきたいと思います。例えば現在、刑事事件における障がい・高齢者支援(いわゆる入口支援)について取り組みを進めているところです。
これまで陽のあたってこなかったところを照らし、そのことに連帯して取り組んでいただける方々とともに活動を進めていきたいと考えています。
【地域密着化】
これまでも岡山、津山、玉野などの事務所周辺地域では、依頼者の方々や支援関係機関の皆さまとの顔の見える関係をもたせていただき、地域に根を張る活動を行うことを進めてまいりました。今後もさらに取り組みを進めていきたいと考えています。
一方、それ以外の地域につきましては、なかなか十分な取り組みが出来ませんでした。こうした地域の皆さまから、司法福祉一体型である当事務所への要望・ニーズをお伺いすることが多くありました。この声にお応えしていくことが、より岡山県の皆さまのお役に立てることへつながるものだと考えています。
【活動の発信と拡げること】
われわれが、出来ることは限られています。そして、岡山だけで完結しては日本社会はよりよくなりません。また、司法と福祉という狭い分野で閉じこもっていては次の展開は開けません。全国のいろいろな方々とつながっていくことが、必要だと感じています。
そのためには、まずいろいろな方法で活動を発信していくことが大切だと考えています。そして、まずは志を同じくする方々と連帯していくところから始めたいと思っています。全国のさまざまな取り組みから学び、取り入れていきます。
■さいごに
岡山パブリック法律事務所の弁護士は、司法と福祉の連携にとても熱心です。おそらく、関わっていただくと、弁護士のイメージが変わると思います。私自身がそうでした。
経済的な理由、地理的な理由、障がい等の理由、事案の困難性、情報の不足、連携の不足、そして心理的な理由で、必要な法的サービスにつながれないことは、その方の人生の生きづらさにつながってしまいます。
まずは当事務所の社会福祉士へお気軽にお声掛けやお電話いただくことからお願いできればと思います。
水谷所長のもと、岡山パブリック法律事務所が司法と福祉の連携の進化のキーステーションとなるべく、今後も一生懸命取り組んでいきます。どうぞ、よろしくお願いいたします。
弁護士法人岡山パブリック法律事務所
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