弁護士の上尾です。先日、所内勉強会を開催しました。テーマは、信託の各論です。

前回は、信託の概要や基本的構造など信託の総論部分を概説しましたが、今回は具体的な事案に即して、信託の利用方法を講義しました。
一口に信託と言っても幅は広く、遺言代用信託、自己信託（信託宣言）及び受益者連続信託など、信託の汎用性は極めて高いです。このような信託の理解を深めることで、相続の場面においては、従来の遺言や相続制度では達成できなかった財産の承継を実現することができたり、中小企業法務においては、一定の財産について、倒産隔離を実現することが可能となり得ます。

また、信託制度を利用することで、当事務所が多く取り扱っている後見業務においても、多様な財産の管理方法を提供することができます。

若い先生方には、クライアントの要望に沿って様々な解決策を提案できるように信託の理解を深めていただければと思います。

なお、次回の所内勉強会は、経済的に困窮した中小企業の経営者をサポートできるように、企業法務の基礎や企業再建の手法等について講義したいと思います。